レジェロ来訪記2024

フェルゼの伊藤です。
先日、5年ぶりにオーストリアへ出張し、superfitの製造メーカー「レジェロ・ユナイテッド」の新社屋を訪問し、セミナーの受講と首脳陣へのプレゼンというミッションを果たしてきました。
 
 
 
【1日目・ブラウンさんのディナー】
 
 
オーストリアのグラーツに着き、レジェロの輸出部門最高責任者のブラウン博士と5年ぶりに再会、プライベートディナーにご招待いただきました。
 
「ブラウンさん! 5年前の約束をすべて果たし、またやってきました!」と私が言うと、
 
ブラウンさんは両手を胸にあて「おお、エミコ・・・」と涙を浮かべられました。
 
  
 

【2日目・レジェロ本社】

 
 
グラーツ空港近くに建設されたレジェロ・ユナイテッド キャンパスへ。
 
敷地面積26,100m²=7895.25坪(東京ドームグラウンドの約2倍)、2147.75坪のオフィス・スペース、会社独自のサンプル製造設備。
 
建物は持続可能な建築資材のみの使用し、地下水の使用を組み合わせた地熱暖房システムと冷房で、エアコンの代わりに地下水を建物の中に循環させて温度を保ちます。その水は濾過されソーダにして飲料水としても。これがまたおいしい。
 
靴職人のキッチンと呼ばれる社内レストランもあり、毎日スタッフの健康を考えた地元の食材で調理されていました。
 
 
私たちの使命:
人々と自然を心から大切にすることです
 
私たちの価値観:
心からの思いやり、知識、創造性、先駆性
 
 
そう掲げられたLegeroの素晴らしい企業コンセプト、シューメーカー152年にして今やヨーロッパトップとなり、地球環境と働く人々の生活と健康に配慮することが、まさに実装された社屋でした。
 
行われたセミナーでは、superfitのコンセプトと高い技術が詰まった製造工程を見学し、知ることができました。
 
それは日本で伊藤が構築した「小児靴に必要な10の機能」とまさにリンクする内容でもあったのです。感激です。
 
トレーナーから、
 
「日本のトレーナー(伊藤のことをそう呼んでくれました)は、superfitのことはもちろん、小児の足のことについて、すでにすべてのことを知っていた」
 
と称賛され、デザイン、素材、製造方法、ソール技術についてのトレーニングプログラムの「Certificate(証明書)」をいただきました(アジア人初だそうです)。


 
 

さて、レジェロの企業姿勢

◯ クオリティとサステナビリティを追求
 
◯ いい靴を作るのではなく最高の靴を作り続けるという理念
 
◯ モノ(靴)があっても販売力がないと届けられない、販売力があっても最高のモノがないと応えられない
 
に、私は心から同意し首がもげそうになるくらい、頷きました!
 
 
superfitは、VIOS® (ビオス)制限物質リストに準拠して製造されています。

VIOS® の名を冠したレザーは、最新の研究に基づいて製造されたクロムフリーで、地球環境に優しい染料と材料を使用し、可能な限り資源を節約する方法が重要であるとした指針に基づいています。
 
製造方法だけでなく、CO2排出量を限りなく抑えることを重要視した社屋の建設、輸送経路まで考えた新工場の設立など、シューメーカーとしてすべてにおいて一流でした。
 
インポートシューズに30年以上携わってきた伊藤の所感として、日本の多くの人々の靴に対する評価は、見かけの整いかたであるとしみじみ思います。
 
確かに日本の縫製やパッケージは素晴らしいものが多いです。
 
しかし、人の身体に影響を及ぼすものとしての靴の「品質」とは見かけではなく本質が重要です。
 
フェルゼオンラインのお客様からのお問い合わせに個別にご連絡させていただいてはおりますが、靴のアッパーの色むらやソールへの色移りは、天然皮革とVIOS® に準拠しているためのことで、これを商品不良としてしまうことは、あまりにも本質からかけ離れけてしまうことを、ぜひきちんとお知らせしていきたいと思います。
 
 
 
【4日目・いよいよ重要会議の日】
 
 
「superfit Verbreitungsplant」
(スーパーフィット普及計画)を、レジェロ首脳陣にプレゼンしました。


 
2019年の訪問でのプレゼンテーマは「日本で子どもたちの健康な足づくりのために、superfitを身近な靴にする」でした。
 
フェルゼは、日本の子どもたちの歩きを変える靴としてsuperfitを広めるために、伊藤のサロン「フラウプラッツ」の京都と東京とごく一部の店舗で販売されてきたsuperfitを、全国に届けるために通販サイト「フェルゼオンライン」を開設。
 
日本の子どもたちの多様な足に対応できるように、superfitを知り尽くした経験値と分析により、ファーストシューズからジュニアまで厳選した品揃えを行い、子育てで忙しいママと販売店のない地域へ届けることを始めました。
 
そして、足育講座の配信、各地での足育キャラバンの開催、オンラインサイトにコンシェルジュサービスを盛り込み、ただ単にサイト上に靴のみを並べた通販ではなく、伊藤の長年の足育講座で培われた啓発販売メソッドを活かした「教育と物流」をセットにして提供してきました。
 
子どもの足に良い靴はどういう靴か、ということを学術的にまとめて医学会にて発表を重ね、「小児靴の手引き書2023」を執筆し、発刊に寄与しました。
 
これが世界初の小児靴のガイドラインとなったこと、小児靴に必要な10の機能を満たした靴がドイツWMS規格に準じたsuperfitであることは、靴製造において数々の受賞を受けてきたレジェロ首脳陣からも大変評価していただきました。
 
また「フェルゼ・プロキュアメント」とした共同仕入れシステムを構築し、小児靴学とsuperfitを、体系的に理解するセミナーを受講した各種専門者による販売代理店が現在20店舗(1店舗は準備中)に増え、その総合力によってコロナ禍で落ち込んだ靴市場においてsuperfitの販売数が伸びる結果をもたらし、ヨーロッパにはないフェルゼ独自の方式に驚かれました。
https://ferse.co.jp/fc/
 
 
こうした5年間の活動と実績の報告ののち、2024年は「スーパーフィットを履いた子どもたちで日本中を埋め尽くそう!」を掲げて、日本の子ども靴市場の現状を訴え、普及のための計画を立て、レジェロの協力体制を仰ぎました。
 
会議の中で、ブラウン博士から、まず、素晴らしいプレゼンであること、5年間の計画を本当に果たしてきた世界的に稀有な存在であること、その実行力に対して「まさにグレート・アンバサダーである」と評価いただきました。
 
その結果、「レジェロ・ユナイテッドは、エミコの熱い情熱に敬意を表し、何も隠さず、すべてをオープンにし、エミコをレジェロの一員として迎えます。日本をサポートし続けます」というお約束と日本のエージェントして認められ、今後レジェロの世界会議に参加することになりました。
 
日本をサポートし続けるということの要望として、以下の3点をお願いしました。
 
 
1.
日本で人気の高いモデルやカラーの継続、製造をしてほしい
 
2.
仕上がりのクオリティやパッケージもできる限り日本人のこだわりに添ってほしい
 
3.
円安からくる価格高騰に便宜を図ってほしい
 
 
こうして、2024年からの3か年計画も提出し、高機能高品質のsuperfitが日本に継続可能な価格帯で普及していき、
 
「スーパーフィットを履いた子どもたちで日本中を埋め尽くそう!」
 
を実現していきます。
 
フェルゼ社員、販売代理店一同、これからも研鑽と努力を続けてまいります。
 
皆様の一層のご愛顧を心よりお願い申し上げます。
 
長文を最後までお読みくださいましてありがとうございました。
 
 
 
合同会社フェルゼ CEO 伊藤笑子
7月5日 14:59